住宅ローンが残っている家は売れない?完済できない場合の4つの選択肢

住宅ローンが残っている家は売れない?完済できない場合の4つの選択肢

この記事でわかること

  • 住宅ローンが残っている家でも売れるのかどうか
  • 売却価格が残債を下回るときの4つの選択肢
  • 売る前に確認しておくべき数字と手続き

住宅ローンがまだ十数年残っている。売りたいけれど、ローンが残っている家は売れないのではないか。売っても借金だけが残るのではないか。そう思って動けずにいる方は少なくありません。

結論から言うと、住宅ローンが残っている家でも売却できます。実際、売却される住宅の多くはローンの返済中です。ただし条件が1つあります。引き渡しのときに、そのローンを完済して抵当権を外すことです。

問題になるのは、売却価格がローン残債に届かない場合です。この状態をオーバーローンといい、不足分をどう埋めるかを決めないと売却の手続きを進められません。

この記事では、住宅ローンが残っている家が売れないと感じたときに、まず確認すべき数字と、残債が足りない場合の選択肢を整理します。

目次

住宅ローンが残っている家が売れないと言われる理由

抵当権が付いたままでは引き渡せない

住宅ローンを借りるとき、金融機関はその家に抵当権を設定します。返済が滞れば家を差し押さえて回収するための権利です。

抵当権が付いたままの家を買う人はいません。買った後に前の所有者が返済できなくなれば、家を失う可能性があるからです。そのため売買では、引き渡しと同時にローンを完済し、抵当権を抹消するのが原則です。

売れないのではなく、完済できるかどうかの問題

つまり「ローンが残っているから売れない」のではありません。売却代金でローンを完済できるかどうかが分かれ目です。

完済できるなら、通常の売却と手続きはほとんど変わりません。決済の日に買主から代金を受け取り、その場で金融機関に返済し、抵当権を抹消します。

まず確認する2つの数字

数字1:住宅ローンの残債

毎年金融機関から届く残高証明書か、ネットバンキングの画面で現在の残高を確認できます。分からない場合は借入先に問い合わせれば教えてもらえます。

このとき、繰上返済や一括返済にかかる手数料も併せて確認してください。金融機関によって金額が異なります。

数字2:家がいくらで売れるか?

残債が分かっても、売却価格が分からなければ判断できません。ここで必要になるのが査定です。

査定額は会社によって差が出ます。1社だけの金額で「足りない」と判断してしまうと、実際には完済できたのに諦めることになりかねません。複数社の金額を並べて確認してください。

アンダーローンとオーバーローンで進め方が変わる

アンダーローンとオーバーローンの違い売却価格がローン残債を上回る状態をアンダーローンといい、売却代金で完済できる。下回る状態をオーバーローンといい、不足分を自己資金などで用意する必要がある。売却価格とローン残債、どちらが大きいかで進め方が変わるアンダーローン売却価格 > ローン残債売却価格 2,500万円残債 1,800万円売却代金で完済できる手元に700万円が残り、そのまま売却できるオーバーローン売却価格 < ローン残債売却価格 1,800万円残債 2,500万円700万円が不足する自己資金・住み替えローン・任意売却で対応金額は説明のための例です。まず残債証明で正確な残高を確認してください
売却価格と残債のどちらが大きいかで進め方が変わる

アンダーローンなら通常どおり売却できる

売却価格が残債を上回る状態です。売却代金で完済でき、残りは手元に入ります。手続きは一般的な売却と同じで、特別な調整は必要ありません。

オーバーローンは不足分を埋める必要がある

売却価格が残債に届かない状態です。このままでは抵当権を外せないため、不足分をどう用意するかを決める必要があります。

住宅ローンが残っていて売却価格が足りないときの4つの選択肢

選択肢1:不足分を自己資金で埋める

預貯金で不足額を補う方法です。最も手続きが簡単で、通常の売却として進められます。

不足額が数十万円程度なら、この方法が現実的です。まず正確な不足額を出してから判断してください。

選択肢2:住み替えローンを使う

新しく家を買う場合に限り、残った債務を新居のローンに上乗せして借りる方法です。金融機関によって取り扱いが異なり、審査は通常より厳しくなります。

借入額が物件価格を超えるため、返済の負担は重くなります。長期の返済計画を確認してから決めてください。

選択肢3:買い替えローンや無担保ローンを検討する

不足分だけを別途借りる方法もあります。金利は住宅ローンより高くなるのが通常です。

選択肢4:任意売却を検討する

返済が困難で、自己資金も追加の借入もできない場合の方法です。金融機関の同意を得たうえで、抵当権を外して売却します。

返済が滞ってから検討することが多い方法ですが、信用情報に影響が出ます。競売より高く売れる可能性がある点が利点です。まず金融機関に相談してください。

住宅ローンが残る家を売るときの手順

  1. 金融機関で住宅ローンの残債と一括返済手数料を確認する
  2. 複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の見込みを把握する
  3. 残債と査定額を比べて、アンダーローンかオーバーローンかを判定する
  4. 不足する場合は、埋める方法を決めてから売り出す
  5. 売買契約を結び、決済日に代金でローンを完済し抵当権を抹消する

順番が重要です。査定を先に受けておかないと、そもそも足りるのかどうかが判断できません。

売却時にかかる費用も計算に入れる

手元に残る金額を考えるとき、売却価格から差し引かれるものがあります。

費用目安
仲介手数料売買価格400万円超なら、価格×3%+6万円+消費税が上限
抵当権抹消の登録免許税不動産1個につき1,000円
司法書士報酬依頼先により異なる
一括返済手数料金融機関により異なる
印紙税売買価格により1千円〜数万円

これらを差し引いた金額でローンを完済できるかを確認してください。査定額ぎりぎりで足りる場合、費用を入れると不足することがあります。

住宅ローンが残る家の売却に関するよくある質問

住宅ローンが残っていても売却できますか?

できます。引き渡しのときに完済して抵当権を抹消することが条件です。売却代金で完済できるなら、通常の売却と手続きは変わりません。

残債がいくらか分からない場合はどうすればよいですか?

借入先の金融機関に問い合わせれば教えてもらえます。毎年送られてくる残高証明書やネットバンキングでも確認できます。

売却代金でローンを完済できない場合はどうなりますか?

不足分を自己資金、住み替えローン、無担保ローンのいずれかで埋めるか、任意売却を検討することになります。金額によって現実的な方法が変わるため、まず不足額を正確に出してください。

ローン返済中でも査定を受けられますか?

受けられます。査定は金額を出してもらう行為で、売却の手続きとは別です。残債と比べるためにも、先に査定を受けておくほうが判断しやすくなります。

住み替え先を先に買ってもよいですか?

可能ですが、売却前に購入すると二重のローンを抱える期間が生じます。売却が長引いた場合の負担を想定してから判断してください。

離婚で家を売る場合、ローンはどうなりますか?

名義人が返済義務を負う点は変わりません。共有名義や連帯保証が絡む場合は、売却前に金融機関と条件を確認する必要があります。

まとめ:住宅ローンが残る家は「完済できるか」で決まる

  • ローンが残っていても売却できる。条件は引き渡し時の完済と抵当権抹消
  • まず残債と査定額の2つの数字を確認する
  • 売却価格が残債を上回るアンダーローンなら通常どおり進められる
  • 下回るオーバーローンでも、自己資金・住み替えローン・任意売却の選択肢がある
  • 仲介手数料や抹消費用も差し引いて計算する

1社だけの査定額で足りないと判断しないでください。会社によって数百万円の差が出ることがあり、その差で完済できるかどうかが変わります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

当サイトは、国土交通省の不動産取引価格情報や、宅地建物取引業者の登録情報など、公的に公開されているデータをもとに編集しています。

家を売るときに多くの方が悩むのが「この家はいくらで売れるのか」「どの不動産会社に依頼すればいいのか」という点です。同じ物件でも、査定を依頼する会社や地域の市場の状況によって提示される価格は変わりますし、査定額がそのまま売却価格になるとも限りません。

そこで、成約価格・売り出し価格・査定額を区別したうえで、市区町村ごとの実際の成約データと、免許を受けている不動産会社の情報を整理しています。

「査定額だけで不動産会社を決めない」「複数の会社を比較する」「売却価格と手取り額を分けて考える」といった、売却前に知っておきたい点を重視しています。

目次