不動産一括査定は「やめとけ」?危険と言われる5つの理由を検証

不動産一括査定は「やめとけ」?危険と言われる5つの理由を検証

この記事でわかること

  • 不動産一括査定が「やめとけ」と言われる5つの理由と、その真偽
  • 「危険」「詐欺」と言われる根拠が事実かどうか
  • 使わないほうがよい人と、使ったほうがよい人の分かれ目

不動産一括査定を調べていると、検索候補に「やめとけ」「危険」「詐欺」といった語が並びます。使おうとしていた矢先にこれを見ると、手が止まります。

先に結論を書きます。言われている指摘の多くは事実です。ただし、そのうち3つは申し込み方の工夫で避けられます。残る2つは避けられないため、当てはまる人は使わないほうがよいというのが実際のところです。

問題は、批判をそのまま受け取って使わない判断をすると、複数社の金額を比べる機会も失うことです。1社だけの査定額では、それが相場より数百万円低くても気づけません。

この記事では、「やめとけ」と言われる理由を1つずつ検証し、避けられるものと避けられないものに分けて、自分に当てはまるかどうかを判断できるようにします。

目次

不動産一括査定が「やめとけ」と言われる5つの理由

不動産一括査定が「やめとけ」と言われる5つの理由と、避けられるかどうか電話が集中する、査定額が高めに出る、個人情報が複数社に渡るの3つは工夫で避けられる。提携社が少ない地域と、対象外の物件の2つは避けられないため、その場合は使わないほうがよい。5つの指摘のうち、3つは工夫で避けられる言われている理由事実か避けられるか複数社から電話が来る事実避けられる契約目的で査定額を高く出す会社がある事実避けられる個人情報が複数社に渡る事実避けられる提携社が少ない地域では比較にならない事実避けられない農地・山林・事業用は対象外のことが多い事実避けられない下2つに当てはまる場合は、一括査定より地元の会社に直接依頼するほうが早く進みます
5つの指摘のうち、3つは申し込み方で避けられる

理由1:複数の不動産会社から電話が来る

これは事実です。依頼した会社の数だけ連絡が来ます。6社に依頼すれば6社から来ます。

ただし件数は自分で決められます。申込画面で依頼先を3社に絞れば3社です。備考欄に「まずはメールで連絡希望」と書けば、電話の件数はさらに減ります。

理由2:契約目的で査定額を高く出す会社がある

これも事実です。媒介契約を取るために、相場から離れた高い金額を提示する会社は存在します。その価格では売れず、値下げを重ねることになります。

避け方は単純で、査定額そのものではなく、その金額になった根拠を聞くことです。近隣の成約事例をいくつ参照したか、自分の家と条件がどう違うかを説明できない会社は外してください。複数社に依頼していれば、1社だけ極端に高い金額を出していることにも気づけます。

理由3:個人情報が複数の会社に渡る

事実です。一括査定は入力した情報を複数社に送る仕組みなので、依頼した社数だけ情報が渡ります。

不動産会社は個人情報取扱事業者にあたり、利用目的の範囲を超えて使うことはできません。宅地建物取引業法にも守秘義務の定めがあります。それでも渡す先を減らしたい場合は、依頼社数を絞ってください。

理由4:提携社が少ない地域では比較にならない

これは避けられません。その地域に対応する会社が1社や2社しかなければ、一括査定を使っても比較になりません。

国土交通省の登録情報を集計すると、事務所が1件しかない町村は全国で200以上あります。こうした地域では、一括査定より地元の会社に直接あたるほうが早く進みます。

理由5:対象外になる物件がある

これも避けられません。多くの一括査定サービスは、農地、山林、店舗、工場、倉庫を対象外にしています。

対象になるのは戸建て、マンション、土地、一棟アパートなどです。それ以外の物件を持っている場合、申し込んでも査定が返ってこないか、対応できる会社が見つからないという結果になります。

不動産一括査定は「危険」「詐欺」なのか?

登録されているのは免許を持つ不動産会社

宅地建物取引業の免許を受けずに売買の仲介を業として行うことは、宅地建物取引業法で禁じられています。一括査定サイトに登録されているのは免許業者です。

免許番号は誰でも確認できます。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、商号から登録内容を照会できます。査定を受けた会社が気になる場合は、その場で調べてください。

査定額は保証された金額ではない

ここは誤解が生じやすい点です。査定額は「この価格なら売れる見込みがある」という会社の判断であって、その金額での売却を約束するものではありません。

高い査定額を見て期待し、実際にはその価格で売れなかったとき、「話が違う」と感じることがあります。これが「詐欺」という語で語られる場面の多くです。査定額は見込みであって保証ではない、という前提を最初に持っておいてください。

利用そのものに費用はかからない

査定の依頼に費用はかかりません。サービスの運営者は、成約したときに不動産会社から手数料を受け取る仕組みで運営しています。査定を受けただけで請求されることはありません。

不動産一括査定をやめたほうがよい人

売る予定がまったくない人

今の価値を知りたいだけで、数年以内に売る予定がないなら、査定を申し込む必要はありません。国土交通省が公開している取引価格情報で、近隣の相場を無料かつ匿名で調べられます。

対象外の物件を持っている人

農地、山林、店舗、工場、倉庫が対象の場合、一般的な一括査定では対応できません。その分野を扱う専門の会社に直接あたってください。

その地域に対応する会社がほとんどない人

事務所が1社しかない町村では、比較する相手がいません。近隣の市の会社に直接連絡するほうが確実です。

すでに依頼先が決まっている人

信頼できる会社が決まっていて、その会社に任せる意思が固まっているなら、比較の必要はありません。

それでも不動産一括査定を使ったほうがよい人

売却を具体的に検討している人

売る意思がある段階では、複数社の金額を並べる価値があります。査定額に決まった計算式はなく、会社ごとの取引実績や抱えている買主によって変わるためです。

住宅ローンが残っている人

残債を完済できるかどうかは、売却価格次第です。1社の金額だけで「足りない」と判断すると、実際には完済できたのに諦めることになりかねません。

相続した家や空き家を持っている人

自分が住んでいない家は、相場の感覚が持ちにくいものです。維持費がかかり続けるため、金額を知って早めに判断するほうが負担は軽くなります。

不動産一括査定のデメリットを避けて使う方法

  1. 依頼する不動産会社を3社程度に絞る
  2. 備考欄に「まずはメールで連絡希望」と書く
  3. 連絡が取れる時間帯を指定する
  4. 査定額ではなく、その根拠を各社に聞く
  5. 依頼しないと決めたら「今後の連絡は不要」と早めに伝える

この5つで、指摘されているデメリットのうち工夫で避けられる3つはほぼ解消できます。

不動産一括査定の「やめとけ」に関するよくある質問

不動産一括査定は本当にやめたほうがよいのですか?

人によります。対象外の物件を持っている場合や、その地域に対応する会社がほとんどない場合は使う意味がありません。売却を検討していて、対応する会社が複数ある地域なら、比較する価値があります。

一括査定サイトに登録されている会社は信用できますか?

宅地建物取引業の免許を受けた会社です。免許の有無は国土交通省のシステムで照会できます。ただし免許があることと、その会社が自分に合うかどうかは別なので、対応や説明の内容で判断してください。

査定額が高い会社を選べばよいのではないですか?

金額だけで選ぶのは危険です。契約を取る目的で相場から離れた金額を出す会社があります。その価格では売れず、値下げを重ねることになります。金額の根拠を必ず確認してください。

申し込んだ後にキャンセルできますか?

できます。査定は金額を出してもらう行為で、契約とは別です。「今後の連絡は不要です」と伝えれば終わります。

査定を受けると費用がかかりますか?

かかりません。査定は無料で、依頼したことによる請求もありません。

1社だけに査定を依頼してはいけませんか?

いけないわけではありませんが、その金額が妥当かどうかを判断する基準がありません。会社によって数百万円の差が出ることがあります。

まとめ:不動産一括査定の「やめとけ」は人による

  • 電話が来る、査定額が高めに出る、情報が複数社に渡るの3つは事実だが、申し込み方で避けられる
  • 提携社が少ない地域と、対象外の物件の2つは避けられない
  • 登録されているのは免許業者。査定額は見込みであって保証ではない
  • 売る予定がないなら、公的データで相場を調べれば足りる
  • 売却を検討しているなら、複数社の金額を並べる価値がある

「やめとけ」が自分に当てはまるかどうかは、物件の種類と地域で決まります。当てはまらないなら、批判を理由に比較の機会を手放す必要はありません。

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この記事を書いた人

当サイトは、国土交通省の不動産取引価格情報や、宅地建物取引業者の登録情報など、公的に公開されているデータをもとに編集しています。

家を売るときに多くの方が悩むのが「この家はいくらで売れるのか」「どの不動産会社に依頼すればいいのか」という点です。同じ物件でも、査定を依頼する会社や地域の市場の状況によって提示される価格は変わりますし、査定額がそのまま売却価格になるとも限りません。

そこで、成約価格・売り出し価格・査定額を区別したうえで、市区町村ごとの実際の成約データと、免許を受けている不動産会社の情報を整理しています。

「査定額だけで不動産会社を決めない」「複数の会社を比較する」「売却価格と手取り額を分けて考える」といった、売却前に知っておきたい点を重視しています。

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